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パンダと竹

著者:成都大熊貓繁育研究基金會       時間:2014-07-24

 主に中国の四川省、湖南省に分布している竹は中国の原産物ですが、世界中に1200あまりの種類があります。一年中でも常緑の竹は昔から梅・蘭・菊とともに「四君子」、また梅・松とともに「歳寒の三友」と呼ばれています。このように文人墨客に親しまれている竹もパンダの大好物です。パンダの好きな竹は20種あまりがあり、海抜2000M以上のところにある巴山木竹が人工飼育のパンダが大好きな竹の一種です。 

 

 かつて蘇軾は「3食に肉はなくてもいいが、家に竹はなくてはいけません。肉はなくてもただ痩せるのですが、竹はなければ俗っぽくなるから」という意味の名句がありますが、竹がパンダにとっても不可欠な存在です。昔のパンダも肉を食べていましたが、科学者の300万年前のパンダ化石の分析によると、当時のパンダはすでに雑食をしはじめたという結果がわかるようになったから、パンダと竹の縁がいまから300万年前からすでに始まったと言えるでしょう。いま竹の量はパンダの食量の中に90%を占めています。竹を主食する生活に慣らすために、パンダの体自体にも少しずつ変化が出ています:進化してきた偽指があるから機敏に笹を握ることができるのです;毎日長時間に笹を咀嚼していて、大きい奥歯と発達した咀嚼肌を持っているからこそ、丸々で可愛く見える頭があるのです。また胃腸壁についている繊維虫のおかげでパンダは笹のような粗繊維食物の消化ができるのです。よく観察すれば分かるように、気難しいパンダはいつも食べる前に手に持っている笹を何回も何回も嗅いでいるから、鋭敏な嗅覚も持っているのです。 

 

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笹はパンダの生活の不可欠の一部分となっています

 

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筍もパンダの大好物です。成年パンダの一日食べる量は50キロもあります

 

 竹しか頼っていないパンダは超然と気楽な毎日を送っていますから、「竹林の隠者」と呼ばれていますが、その命は竹とは切っても切れないです。普通の草本植物が毎年花が咲いて実になるのと違って、竹は種類によって、開花の間隔期は15年から120年までそれぞれです。竹の開花について中国秦の時代のある文献には「60年で全部の竹が枯れた」という記録があります。過去40年にも竹の開花に関する記録もしばしばあります。一回目は1976年冬の末、甘粛省文県と四川省平武県、南坪県などで大量な竹が開花し枯れてから、138頭のパンダ死体が発見されました。こんな大量なパンダの死亡原因も究明されていないうちに、1984年と1987年にまた四川省岷山と邛崃山系の竹類は大面積の開花と枯死が発生しつつ、当地のパンダの命を脅かしていました。 

 

 1987年、パンダ保護のブームに乗り、パンダなどの絶滅危惧類の保護を主旨とする公益団体------成都ジャイアントパンダ繁殖研究基金会が設立されしました。基金会はパンダを中心とする絶滅危惧類の科学研究プロジェクトを援助するだけでなく、世界中のパンダファンに環境保護とパンダ保護に関する専門知識の宣伝にも取り組んでいます。 

 

 パンダ数の増加と野生生態環境の取り戻しにつれて、いつかパンダはまた自然界に戻り、自然状態での竹との縁が続けられると信じ込んでいます。 

 

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成都ジャイアントパンダ繁殖研究基金会の標識-「パンダの親子愛」です、パンダ繁殖保護事業への愛を世に伝えます